日本映画史に残る名作「東京物語」

「東京物語」の作品情報と感想です。

「東京物語」作品情報

【公開年】1953年
【監督】小津安二郎
【主演】千秋実、笠智衆、原節子
【時間】136分
【ジャンル】ドラマ
【原作】なし
【Filmarks】
「東京物語」
【この作品について】
日本の映画史に残る名作として知られる。老夫婦が東京を訪れ、家族とのふれあいや孤独を通じて人間の心情を描いた作品。

感想(ネタバレあり)

1950年代という、半世紀以上前の作品でモノクロの映画ですが、いつまでも色褪せることがありません。(筆者はこの作品を観て号泣しました……)

ストーリーは、尾道に住む老夫婦が東京で働く息子と娘に会いに行くところから始まります。
老夫婦の旅行という平凡な話で、ドラマティックなことが起こるわけでもありません。

しかしこの映画は日本映画の金字塔であるばかりか、今でも海外の映画監督などから絶賛の評価があるほどです。監督の小津安二郎は海外の映画監督ファンも多く、国内外問わず作品の中に小津作品オマージュが見られるものもいくつかあります。

1950年代、日本は戦後を迎え、戦争映画や宣伝映画から人間のリアリズムを映し出す傾向にシフトしていきました。小津作品はその代表的な作品とも言えそうです。

平凡な老夫婦の寂しさや疎外感が強く出ているわけでもないのにじわじわと醸し出される雰囲気に胸が締め付けられます。どこの家庭にも見られるような光景で、思わず自分や親の行く末を見ているようでした…
特に熱海旅行の若者の騒がしさと2人の背中の対比には強く何かを感じるものがあります。
(涙せずには見られませんでした…)

コミカルな部分もあり、ちょっと哀しむ部分もあり、まさに当時の日常が映し出されています。
(東京、熱海、尾道の当時の風景も見どころです)

ちなみに、小津作品の「大学は出たけれど」という作品もU-NEXT見放題で観られます。

filmarks「大学は出たけれど」

こちらはなんと1929年のサイレント作品。
フィルムのほとんどは失われてしまい、70分のうちの11分しか観ることができないのですが、サイレント映画って面白いんだなと思わせてくれる作品です。

まさか戦前の映画が配信で観られるとは、、いい世の中ですね。

映画に興味のある人はぜひどちらも一度は観ていただきたいおすすめ作品です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました